toppage2012年度BAMIS学内公募研究地域高齢者におけるストレス対処力と運動実践・身体活動との関連

地域高齢者におけるストレス対処力と運動実践・身体活動との関連

体育系 教授 武田 文

運動実践や身体活動は,身体疾患(生活習慣病,メタボリックシンドローム,ロコモティブシンドローム等)および精神疾患(うつ病,うつ状態等)いずれの予防にも寄与することが多くの研究から明らかにされてきた。これらを受けて,WHO(世界保健機関)は心身健康のための身体活動ガイドラインを作成し,我が国でも厚生労働省が健康づくりのための身体活動ガイドラインを作成し,健康政策「健康日本21(第二次)」においても,健康寿命の延伸にむけた一次予防対策として身体活動を位置づけている。
しかしこれらのガイドラインでは,65歳以上の高齢者が一律に扱われている。わが国では2011年時点で65歳以上の高齢者人口が総人口の23.3%に達し,今後も75歳以上の「後期高齢者」が増加し続ける超高齢社会に突入している。心身機能は加齢により低下することからも,高齢者に関して年齢層を考慮した身体活動ガイドラインが必要と考えられる。
一方で,近年のWHOヘルスプロモーション戦略においては,健康阻害要因(リスクファクター)を除去する疾病予防アプローチのみならず,健康促進要因を向上させるアプローチが必要であることが強調されるようになった。そしてこの観点から,ストレスや逆境があってもそれを乗り越えて心身の健康を保持する要因であるストレス対処力の一つとして,Sense of Coherence(SOC)が注目されてきた。これまでに,SOCと心身の健康状態や死亡率との関連が実証され,SOC を高める要因に関する研究が進められている。
高齢者のSOCを高める要因については,運動・スポーツ活動をとりあげた実証検討が行われているが,活動内容に関する詳細な検討はなされておらず,また,運動・スポーツ活動以外(仕事やボランティア等の仕事関連活動,家事や介護等の家庭内活動)を含めた身体活動との関連は検討されていない。
以上をふまえて本研究では,地域在住の比較的活動的な元気高齢者に関して,SOCと運動実践・身体活動との関連を,年齢層別(前期・後期)に詳細に検討することにした。
研究目的は,比較的活動的な地域高齢者のSOCに関連する(1)運動・スポーツ活動の内容,および(2)身体活動の種類を,年齢層別(前期・後期)に明らかにすることである(図1)。

2012BAMIS成果報告書(武田).pdf

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2013-04-12

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