運動や学習などで刺激を受けた脳の部位に、神経保護作用のあるホルモンが血液中から取り込まれる仕組みを、征矢英昭筑波大教授、西島壮首都大学東京助教と、スペイン研究機関のグループが解明した。
脳の活性化が脳機能を維持し、はぐくむことを分子レベルで証明。アルツハイマー病の予防などにつながると期待される。
IGF1と呼ばれるこのホルモンは主に肝臓でつくられ、脳神経系では血管の成長や神経細胞をつくる作用がある。血液中から脳内に運ばれることは知られていたが、ホルモンが自由に通過できない「血液脳関門」と呼ばれる防御システムをどうくぐり抜けるのか不明だった。
研究グループは、ラットの血液にIGF1を投与した後、ひげを刺激し、関係する大脳皮質を活性化させる実験を行い、活性化した部位ではIGF1が増えたことを確認した。
IGF1はほかのタンパク質と結合して巨大な分子を構成しているが、神経の活動が活発になると、血管に付着する酵素の一種が活性化してこの巨大分子を分解。IGF1が血液脳関門を通過するのを助けることを突き止めた
2010/09/11/06:05 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010091101000036.html