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筑波大学大学院人間総合科学研究科運動生化学研究室の征矢英昭教授と自治医科大学先端医療技術開発センター、脳機能研究部門の檀一平太准教授の共同研究グループは、光による脳機能イメージング法(光トポグラフィ)を用いて、高齢者が、短時間の中強度運動をおこなった直後に、自分の注意や行動をコントロールする脳の働きである高次認知機能、「実行機能」が向上することを実証しました。運動による実行機能の向上に関与する脳部位は、若齢成人では左脳の前頭前野外背側部でしたが、高齢者では、右脳の前頭前野の一部、右前頭極であることを明らかにしました。
これまで、習慣的な中強度運動が認知機能を向上させることが報告されてきましたが、中強度運動の短期的な効果は未解明でした。最近我々は、中強度運動が短期的に若齢成人の認知機能を向上させる際に、左前頭前野背外側部が関わることを明らかにしました。本研究ではその成果を発展させ、短時間の中強度運動が高齢者の認知機能を高めること、そして、その機能向上には加齢による脳機能低下を防ぐための右前頭極における代償機能の向上が関与していることを世界で初めて明らかにしました。本結果は、短時間の運動は脳機能が低下した高齢者においても脳の認知機能向上に効果的であることを示しています。これは、身体機能のみならず、認知機能向上を狙いとした運動処方確立に寄与できる画期的な成果です。
本研究成果は、米国の科学雑誌「Neurobiology of Aging (ニューロバイオロジー・オブ・エイジング) 」 オンライン版 (2月1日付け)に掲載されました。
平成23年度人間総合科学研究科FDプログラムにおいて、Teaching Fellow として優秀な教育活動を行ったとし、体育科学専攻・博士後期3年の松井崇さん(征矢研究室)が「TF優秀賞」を受賞されました。
表彰式は、平成24年2月8日(水)に筑波大学総合研究棟D 116にて14時より開催される「平成23年度人間総合科学研究科第4回FDプログラム」の中で行われました。
(写真左:清水副学長、中央:松井、右:五十殿研究科長)
日時:2012年2月13日(月)
場所:慶煕大学(韓国)
目的:
(1)東アジアにおける身心統合科学研究の拠点としての位置づけを明確にし、発展を目指す。
(2)リーディング大学院プロジェクトなど、東アジアにおける研究交流、学生交流の基盤を形成する。
(3)今回は、特に、筑波大学大学院体育科学研究科などを修了し、現在韓国の大学、研究機関で活躍中の研究者に集まってもらい、ネットワークを充実させる。
言語:英語
2月13日(月)
9:30 開会挨拶とオープニングレクチャー(25分) Dr. Youngsang Bae(Keimyung university)
9:55 基調講演(45分) 征矢英昭教授(筑波大学)
10:40 コーヒーブレイク
11:00 セッションⅠ「アジアにおけるスポーツ科学の展開」(20分×4名+20分議論)
Dr. Hosung Nho (Kyung Hee University)
前田清司准教授(筑波大学)
Dr. Hyukki Chang(Seoul Women's University)
大蔵倫博准教授(筑波大学)
12:40 ランチタイム
14:00 セッションⅡ「アジアにおけるオリンピックとアスリート」(20分×4名+20分議論)
真田 久教授(筑波大学)
Dr. Misook Lee (Korea National Sport University)
中込四郎教授 (筑波大学)・Dr. Hwoisook Choi(Japan Institute of Sports Science)
Dr. Hoseong Lee (Dankook University)
15:40 コーヒーブレイク
16:00 セッションⅢ「若手研究者発表」
Dr. Jundong Kim (Duksung Women's University)
松井崇 氏 (筑波大学)
Dr. Siyoung Park (Kyung Hee University)
岡本正洋 氏 (筑波大学)
Dr. Sangik Lee (Uiduk University)
Dr. Eunbi Kim (筑波大学)
Dr. Kunjick Yoo (Hayllym Polytechnic University)
井出幸二郎 氏 (筑波大学)
Dr. Jeonghyo Kim (Seoul National University)
17:30 閉会の挨拶(10分)
朝岡正雄教授(筑波大学)
18:00 KATS (Korean Alumni of Tsukubarian Sports Scientists) kick off MTG
平成23年11月25日(金)
特別経費プロジェクト拠点代表 征矢英昭 教授
所属:人間総合科学研究科
氏名:イ ミンチョル
第16回BAMISセミナー報告書
Ⅰ.セミナー概要
征矢英昭教授から坂本啓博士の紹介と招聘の意義が紹介された。本セミナーは「日本から世界へ、糖代謝研究の最前線」をテーマに開催され、若手研究者発表者として、先に、松井崇(筑波大学:D3)が「長時間運動による脳グリコゲンの減少と超回復」の演題で発表した。その後、坂本啓博士は「骨格筋糖代謝の分子調節メカニズム:ホルモン、運動の役割に注目して」の演題で講演した。質疑応答では,糖代謝調節する分子メカニズムに対して意見が集中し、パフォマンス向上の基盤となる現象として、グリコーゲン合成の生理的意義や可能性が活発に議論された。
Ⅱ.開催概要
主 催:文部科学省特別経費プロジェクト
「たくましい心を育むスポーツ科学イノベーション」
筑波大学大学院人間総合科学研究 体育科学専攻・コーチング学専攻・スポーツ医学専攻 システム情報工学研究科 知能機能システム専攻
日 時:平成23年11月25日(金) 16:00〜18:30
場 所:筑波大学体芸棟 5C105会議室
講 師:坂本啓 博士
参加人数:50名
Ⅲ.講演概要
演題:「骨格筋糖代謝の分子調節メカニズム
ホルモン、運動の役割に注目して」
○講演内容
本セミナーは「日本から世界へ、糖代謝研究の最前線」をテーマに開催され、坂本啓博士は骨格筋糖代謝の分子調節メカニズムを中心とした糖代謝研究の最前線について講演した。前半は、坂本啓博士が、運動トレーニングによる筋適応変化モデルとどのような刺激が筋適応変化に貢献するのか、そのためにどんな戦略が必要なのかについて分かりやすく概説され、特に、糖代謝の分子調節メカニズムの解明の歴史や分析に伴う問題、その解決策を解説した。後半は、坂本啓博士が糖代謝のメカニズム中で、グリコゲン合成のシグナリング解明のために検討した研究について、過去の研究結果を数多く披露した。近年、グリコゲン合成に関わる各シグナリング因子に対して様々なノックアウト動物モデルを作り出し、それぞれの因子がグリコゲン合成に関わっているか否かについて研究が進み、その実例として本講演で最新の知見が披露されたことから、我々運動分野で研究する教員や学生の多くは高い関心を持って傾聴していた。質疑応答では、今後、糖代謝分野でその現象を調節する分子メカニズム研究を行って行く上での有用性や注意点について活発な意見交換が行われた。
Ⅳ.若手研究者発表
演題:「長時間運動による脳グリコゲンの減少と超回復」
松井 崇(筑波大学:D3)
2012年2月13日より慶煕大学(韓国)にて第2回BAMIS国際フォーラムを開催いたします.
東アジアにおける身心統合科学研究の拠点としての位置づけを明確にし、発展を目指し,リーディング大学院プロジェクトなど、東アジアにおける研究交流、学生交流の基盤を形成します.さらに今回は、特に、筑波大学大学院体育科学研究科などを修了し、現在韓国の大学、研究機関で活躍中の研究者に集まってもらい、ネットワークを充実させることを目的としております.詳細は後日掲載いたします.
12月4日(日)に国立スポーツ科学センター(JISS)において、筑波大学(オリンピック教育プラットフォーム、身心統合スポーツ科学センター)と日本オリンピック・アカデミーによる共催で「オリンピック教育国際シンポジウム2011」が行われました。
文部科学省の次の方々によるオリンピック教育(オリンピック・ムーブメントの理念をもとに進める心身育成と国際理解教育)の紹介がなされました。
シンガポール:Sock Miang TEO KOH博士 (国立南洋理工大学准教授)
タイ: Wimonmas PRACHAKUL博士(カセサート大学講師)
台湾: Li-Hong HSU博士 (大葉大学)
韓国: Gwang OK博士 (忠北大学校)
日本: 中塚義実 教諭 (筑波大学附属高校)
外国のゲストたちは、それぞれの国で工夫されたオリンピック教育を紹介されました。 シンガポールのTeo Koh博士は、ユースオリンピックゲームズ(YOG)の開催が決まる以前からオリンピック教育プログラムを大学と連係して開発し、その延長でYOGにおいて先進的なオリンピック教育・文化プログラムが実施できたことを紹介されました。
タイのPrachakul博士は、タイ・オリンピック・アカデミーと連係して、大学生や大学院生対象のオリンピック教育を行っていて、そこでは、オリンピック・ムーブメントや社会におけるスポーツの役割、フェアプレイの観念やアンチ・ドーピング教育等について学ぶ場となっているとのことでした。
台湾のHsu博士は、大学でのオリンピック教育の展開を通して、オリンピックの持つ問題点など、批判的な内容も重要であることを示すとともに、アジアにおけるオリンピック教育の共通カリキュラムを作成したいと発表されました。
韓国のOk博士は、ピョンチャン冬季オリンピック競技会の開催に向けて、オリンピック・ムーブメントを広めるためにもオリンピックの教育的展開が重要であり、今後大学等が関わっていくことを話されました。
筑波大学附属高校の中塚教諭は、同校で展開されているオリンピック教育を紹介し、欧米一辺倒ではない、アジア独自のオリンピック教育、例えば嘉納治五郎先生の教えを加味した内容を考えるべきではと提案、文武両道や心技体など、アジア的な視点でのオリンピック教育の内容を継続的に検討していこうという結論になりました。
ゲストの方々は、次回、附属学校におけるオリンピック教育を見学したい、と表明されました。なおコーディネーターは、真田久(筑波大学教授)と、田中暢子氏(ラフバラ大学大学院)が務めました。
午前中に行われた附属高校の生徒(2年生星野慧さん)による北京での国際クーベルタン・ユースフォーラム参加報告では、海外の高校生とオリンピックをキーワードに交流したことで、オリンピック・ムーブメントに関心を持ち、将来、そうした勉強をしながらオリンピックに関わっていきたいと発言されていました。
文部科学省スポーツ・青少年局 競技スポーツ課課長の杉浦久弘氏やJOC副会長福田富昭氏はじめ、筑波大学関係者や日本オリンピック・アカデミー会員など100名を超える方が参加されました。国際オリンピック委員会J.ロゲ会長や国際オリンピック・アカデミー I.クーベロス会長からは、アジアにおけるオリンピック教育の発展に期待する旨のメッセージが寄せられました。
仮設住宅を訪問し、体操を行ったり、被災した方の話を傾聴するために、事前講習を行いました。
「傾聴の心得」(坂入洋右准教授:コアメンバー)
臨床心理学の観点から、ヒトの見え方、話の聴き方、応答の仕方を1時間に渡り講義しました。
「なかよしラジオ体操」(長谷川聖修教授:コアメンバー)
ペアで行い、楽しく、仲良くなるラジオ体操の練習指導をしました。